
昨日で終わってしまったのですが、フジテレビで再放送の「大奥」がやってました。
泥沼な女の世界・大奥大好きでして(笑)
何回も観てしまうんですよね。
今回は春日局編をやっていました。かなり脚色されているのですが、毎回女優さんが演じるそれぞれの”キャラクター”を楽しませてもらっています。
あくまでもドラマのキャラクターのお話であって実際はどうだかわかりませんが先日の放送を観たときに、春日局は北風の女、お万の方様は太陽の女だなと思ったんです。
北風の女と太陽の女
権力闘争している側室二名に対して春日局がこっ酷く叱るシーンがありました。
その内容はとても正論です。側室同士、嫉妬心を持たずに争いごとをするな。ご法度に背くな!ってことです。二人は下を向いて、しゅんとします。
叱っている最中にお万の方様がやってきて話に加わるのですが、叱っていることには変わりないのですが、側室二人の聞き入れ方が違うのです。
本当に心から反省し、深々とお辞儀をし、もう今後いたしません。
そのような感じで、
それをみた春日局がなんかこう、モヤっとなります。
このドラマでは春日局とお万の方様の真逆の立ち位置で、こういった演出がたくさん出てきます。
ある意味他を寄せつけない威圧感をまとう春日局と、家光のご寵愛を受け、御台所や側室たちからも認められ愛されるお万の方様。
二人の違いは二つあるなぁと思いました。
一つ目は「対話の態度」
対話は聴き合いと伝え合いです。春日局は相手の意見は聴き入れず、一方的に自分が言いたいことを相手に投げつけて終わりです。これは対話ではありません。
お万の方様は相手の意見をちゃんと聴き、話し合いをしたいという態度をとります。
二つ目は「人には心があることを理解して接しているかどうか」
人間はロボットではありません。
当たり前のことですが、感情・気持ちがありますよね。
人を好きになる気持ち
嫉妬した時の気持ち
誰かと引き離された時の気持ち
仲間外れにされた時の気持ち
意地悪された時の気持ち
そして、やり返したい気持ち
閉鎖的な世界でずっと暮らさないといけなくてストレス溜まった時の気持ち
、、、などなど、気持ちがこんがらがって複雑な気持ちになってしまうのが普通の人間です。
普段から相手にも心があるのだと気持ちを理解しようとし、接してくれる人間の言葉は聴き入れたいと思いますが、普段から相手の気持ちに理解を示さず、信頼してくれていない人間の言葉など届くはずもないのです。
その心の持ちようというのは、普段の態度となって表れてくるものです。
「行動」をみることはもちろんのこと、「相手の気持ち」にも共感でき、初めて相手のことが理解できる
行動というのはとてもわかりやすく、わたしも相手を知りたい時は行動を良く見るのですが、それは一つの判断基準でしかないのですね。
人間は一人で生きているわけではないですから、自分の力が及ばないところの影響や様々な事情があったり、その行動に行き着くまでには感情・気持ちがあるわけでして、それがあっての行動なわけです。
「行動」をみることはとても大事なことですが、それ以上に「相手の気持ち」も観ないといけません。
「行動」を観て、
「相手の気持ち」にも共感でき、
初めて相手のことが理解できる。
人をみるときは、この二つはセットだとわたしは思っています。
どちらか一方でも欠けたら相手を視ているとはいえませんし、理解したともいえず程遠いです。
でも、この両方をわかる人って、なかなかいません。
相手からしたら普段の態度から、わかるもんなんですね。 あぁ、この人は行動もちゃんと見てくれているし、気持ちもちゃんと理解してくれている人だと。
そういう人がお万の方様のような、菩薩様のように愛される存在になれるのだろうなと思います。
音を観ることの大切さ
先日友人にもお話したのですが、観世音菩薩というのは文字のとおり「世の中の音を観る」菩薩様です。
音は聴くものなのに、音を観るって不思議だと思いませんか?
音として発せられない心の声「苦しい、寂しい、辛い」など、
叫びたい、でも叫ぶことができない…
口に出せない心の苦しみを観るのが観世音菩薩様です。
聴くことができない音を観るのです。
人には心があることを心から理解できた時、もっと人に対して寛容になれるのにな…と思う今日この頃です。聴くことのできない音を観れるように精進していきたいものです。