心に余裕がなくなってしまって、人に優しくできないときって誰にでもあると思います。
真面目で向上心に溢れている人ほど、出来ない自分に対して「なぜできないんだ」「わたしはダメ人間だ」と責めまくる。
でも一番やっていけないのが、自分を責めることです。
できないときもあっていいんです。
先日わたしの講座を受講してくれていた方からメッセージが届きました。
その方は癌の告知を受け、現在闘病されています。(記事にすることをご了承いただいております)
お時間あったら先生のお考え教えていただきたいです。
オペして入院している間は本当に生きてることや周りの人に感謝できたのに、どんどん薄れていきます。 息子にもイライラすると当たってしまいます。 あの気持ちを持ち続けるのは難しいことなのでしょうか。
抗がん剤の副作用で辛い気持ちが強くなってしまっています。
わたしなりの考えを返信しました。
簡単にまとめると
①自分のせいではない。薬の副作用のせい、体力が落ちていることが一番の理由だと考えること。
②いま一番やるべきことはよく寝ること、食べること、生活の基盤を整えることが優先であること。
③旦那さんや息子さんに伝えたいことは穏やかな気分のときに伝えておくこと。
わたしはアドラー心理学を学んで勇気づけの仕方を教えていますが、なんでもかんでも心理学で解決しようとは思っていません。心理学などを実践する前にこれからお話する3つのことをちゃんと出来ているかチェック・まずやるように伝えています。
そう伝える理由を自分の実体験もあわせて3つ紹介します。
仏教からの視点
お釈迦様の話でこんなお話があります。
お釈迦様が弟子たちに一番最初にしていた声かけは「よく寝ていますか?ご飯は食べていますか?弟子同士仲良くやっていますか?」だったそうです。
修行(学び)もそれが出来ていることが前提で、そこから初めて修行ができます。
”よく寝ていること”は言葉のとおり睡眠です。
”ご飯を食べていること”は世間でもよく言われていますが「食べることは生きること」です。わたしは良質なものを出来るだけ摂るようにという解釈もプラスします。
カロリーは十分にとれているが栄養素が取れていないので様々な体調不良を引き起こす「新型栄養失調症」というのがあります。コンビニ弁当や加工品ばかりだと新型栄養失調症になりやすいそうです。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/171.html
”弟子同士仲良く”は一番近しい人間を大切にしなさいとわたしは解釈をしています。
そして、一番近しい人間というのは”自分”です。
https://anzaihikaru.com/2017/11/181/
アドラー心理学からの視点
アドラー心理学には基本となる5つの理論があります。その中に「全体論」というのがあります。心と身体、意識と無意識、理性と感情など人間の心の中に矛盾はなく、すべては繋がっているという考え方です。
「病は気から」ともいいますように、心が病んでいるといつしかそれは身体の症状となって現れますし、いつも元気な人でも体調不良になると弱気になったりネガティブになったり心も引っ張られていきますよね。
感情や思考、気持ちが整っていないときは身体の調子も良くない方向へ向かいます。
ということは、身体の調子を整えたら思考や気持ちも整っていくだろうとわたしは考えています。
身体の仕組みからの視点
日常的に疲れている人は怒ってアドレナリンを発生させて元気にしようとします。身体がアドレナリンを発生させて元気にさせようと必死にがんばるんですね。(人間ってすごいですよね)
怒るから疲れる→疲れるから怒るの悪循環が発生しやすくなります。
怒りっぽい人は日常的に疲れている可能性もあるということです。
怒りがどこからやってくるのかをまず見極めないといけません。
自分の性格のせいじゃないこともあるんです。
ですから、よく寝て疲れをとるということはとても大事。
疲れをとっただけで怒らなくなったという人は結構いるように思います。
自分の経験談
実際にわたしも卵巣嚢腫を患った時に上記三つを徹底しました。
「ストレスの原因から遠のくこと(自分を大切にする)、仕事量を減らすこと(睡眠確保のため早く寝ていました)、食事を変えること(調味料を職人さんが作っているものに変えました)」です。
奇跡的に患部が消えて治ってしまい、医者にビックリされたことがあります。
性格もこの頃から一段と穏やかになりました。
深呼吸をして「なぜ、イライラするの?」と自分に問いかけてみましょう
普段から穏やかでポジティブ志向なわたしでも病気のときや体力がないときはイライラしますし怒りがちになります。人間は誰もがみんなそうです。あなただけではないということを冷静に客観的に捉えることが必要です。
なんでもかんでも自分のせいにはしない。
なんでもかんでも他人のせいにもしない。
全てを決めつけないこと。
そして現状を受け入れること。
自分がイライラしたり、怒ってしまうことをなぜそうなっているのかを一旦冷静になって考えてみましょう。
紙に書き出してみてもいいかもしれません。
そうすると自分が何にイライラし、何に怒っているのかがわかります。
対処法も見えてくるはずです。
「いまは体調不良だからネガティブ気味なんだなぁ」→体調を改善するのが先決
「相手の○○な行為が悲しかったんだなぁ」→相手に○○が悲しかったと伝える
「最近イライラしがちだけど、ちゃんと休んでいただろうか?」→自分の怒りの状態を正しくみようとまず試みる
色々な対処方法が出てくると思います。
いろんなことを学んでいても実践ができないとか、何をやっても効果がなくセミナージプシーになっているという人は、せっかく学んでも土台がしっかりしていないと実践はできません。
まず土台を見直してみてくださいね。